CFRTP(Carbon Fiber Reinforced Thermo Plasticsの略です)熱可塑性プラスチックスをマトリックスとした炭素繊維強化プラスチックス中間材料です。
「軽量化の切り札CFRTP」「量産なら熱可塑性に分がある」などと言われながら、「まだ出てきてないよね?」と思っていませんか?
いいえ、日本語を読み書きしている我々が知らない間に、日本国内で量産していない私たちの気が付かない間に確実にCFRTPあるいはCの無いFRTPの時代は来ていますし、量産はされています。
「CFRP、CFRTPの材料は高価なので、実際には使えない…」という話は、日本語の会話ではよく聞きますし、大企業の製品開発の現場でも常識です。
「だからカーボンは使わない」という考え方もあります。
それでも炭素繊維メーカーの生産キャパシティは年々増加していますし、その有用性を生かせる市場では、その「高くつく」CFRPを選んで使っています。今や大量に。
CFRTP(熱可塑性)の場合は、その用途が広く、マトリックス樹脂の種類、そのインプレグの方法、中間材料としての出荷の姿にバリエーションが多くなります。
理由は簡単です。熱可塑プリプレグは量産需要を目指して開発されているので、その用途が多様な分、材料の出荷姿が多様になります。
このサイトは、CFRTPの用途を紹介する場所ではないので、どのように使われているかを説明することは遠慮しますが、JCMではお客様の用途に合わせたプリプレグをご提案が可能です。
JCM日本複合材マーケットのサイトの開設当初は、熱可塑プリプレグの取扱い商品はPMC Baycomp社(2012年にTenCate社が吸収、2018年に東レグループがTenCate社を旧PMC Baycomp社も含め吸収されました)とPorcher Industries社しかなかったのですが、その後、国内メーカーの研究開発が進み、種類ができる種類が増えました。
現在、弊社取扱いの熱可塑プリプレグの基本バリエーションは、以下のようになります。
※樹脂マトリックスの種類により、インプレグタイプ、出荷形態は異なります。
※少量のサンプル販売は、できるものとそうでないものがあります。
※使用にあたってはメーカーとのNDAを締結していただく場合があります。
PA-9T
FUKUVIのCFRP・タフジット
長年、培ってきた樹脂成形技術、樹脂材料の知見・知識をベースにして強化繊維と樹脂を複合化した繊維強化複合材料に着目。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂それぞれの特性を活かした素材と成形技術の開発を推進中。
新たな市場創造を目指します。
>> タフジット詳細はこちら
PA-MXD6
三菱エンジニアリングプラスチックス社「Reny Tape」は、高強度で耐候性に優れアルミダイキャスト品に置き換わる射出成形材「Reny」の連続繊維版です。
三菱ガス化学社開発のエンジニアリングプラスチックPA-MXD6レジンをCFUDにVf40でインプレグされ、ヒート&クール・射出ハイブリッドプレス成形では、射出成形材最強のRenyと組み合わせることで高強度軽量構造体を実現する。
PC
三菱ガス化学社のオリジナル開発のPC(ポリカーボネイト=比重1.2)がマトリックスのプリプレグです。
出荷状態は3K織物セミプレグ状態です。
炭素繊維織物に、ポリカーボネイト樹脂を完全含浸させた熱可塑性CFRPプリプレグ(シート)です。
ポリカは靭性が高く粘り強い樹脂なので耐衝撃性が強く、射出ハイブリッド成形とのマッチングは抜群です。
少量でのお試し出荷が可能です。
PP
JCMのPP/CFRTPはPP(ポリプロピレン=比重0.9)がJCMのPP/CFRTPは国内大手化学メーカーオリジナル開発のPP(ポリプロピレン=比重0.9)がマトリックス樹脂で、 完全含浸のCFRTPシートです。
基本的なユニットとして580mmのCFUDシート状での供給となりますが、ATP用のUDテープ状態でのデリバリーや、チョップ状でのデリバリーが可能なので、PP射出成形との相性がとても良いモノです。
少量でのお試し出荷が可能です。
PP / PEKK / PPS / PEI / PC
国内生産の熱可塑プリプレグ試作開発サービスです。
研究開発~少量生産まで対応可能です。
樹脂ペレットを粉砕したパウダーがドライファブリックに溶融した状態(静電吸着したパウダーが溶けた形)のプリプレグで、PPSやPEEK等のTGの高いCFRTPでも、精度の高い含浸状態を得ることができます。
アッセンブル・メーカー様、量産成形工場様からのテイラード対応が可能です。
詳細につきましてはお問い合わせください。
PPS / PA6 / PP
株式会社IHI物流産業システム(ILM)では、CFRTP成形設備のご提案とともに、独自のプリプレグ製造装置及び その製造プロセスを開発, 自動車、機械等一般用途向けに最適な熱可塑性UDプリプレグを開発しております。
ILMでは自社開発プリプレグ素材の販売及び自社開発装置による試作の請負を行っております。
PA6
炭素繊維と熱可塑性繊維を二重織物にした熱可塑コンポジット材料です。
ナイロン糸の融解後には炭素繊維が基本組織を形成します。(炭素繊維とナイロン繊維 平二重織 → 炭素繊維平織)材料にはナイロン系バインダーを塗布することで、ホツレ防止に加え炭素繊維への樹脂の含浸性が向上させています。